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必須脂肪酸とは
動物は脂肪酸不飽和化酵素(デサチュラーゼ)の欠損または低下から一部の不飽和脂肪酸を食物として摂取しなければならない。
この脂肪酸を必須脂肪酸(またはビタミンF)とよび、リノール酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸がこれにあたる。
必須脂肪酸欠乏症の臨床症状は次のようなものがある。
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短期
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上皮からの過剰な水分蒸発
被毛の光沢喪失
フケ症
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中期
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感染症・膿皮症にかかりやすくなる
脱毛
浮腫
湿性皮膚炎(特に外耳、趾間)
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長期
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繁殖機能の抑制
削痩
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(1)リノール酸(LA)
LAは最も重要な必須脂肪酸であり、特に小動物の皮膚・被毛の維持に欠かせない。動物では12デサチュラーゼが欠損しているためLAを生合成することはできず、その供給を食べ物に頼っている。
LAが動物の皮膚にとって不可欠な理由としては、LAが1.脂質膜の流動性の保持、2.アラキドン酸カスケードの前駆体、3.皮膚の保湿等において重要な役割を果たしているからである。
また、LAには皮膚の機能維持の他に、血中のLDLとコレステロールを低下させる効果がある。
(2)γ−リノレン酸(GLA)
GLAは月見草、ボラージなどの特殊な植物を除いては自然界にはほとんど存在しない。動物の体内ではLAから変換されるが、この変換能は肝機能、ホルモン、免疫などの影響を受け、さらに老齢、飽和脂肪酸の多い食事等多数の要因により容易に低下するといわれている。
GLAの生理作用としては皮膚の改善効果が最もよく知られている。月見草油含有カプセルは人のアトピー性皮膚炎の治療薬として多くの国で許可を受けている。
GLAの作用機序
@ ホスホリパーゼA2(PLA2)の阻害
アラキドン酸の代謝産物、エイコサノイドには炎症誘発作用のある物質が含まれている。GLAの代謝物がこの炎症誘発物質の合成酵素であるPLA2を阻害する。
A リポキシゲナーゼの阻害
GLAの代謝物が炎症誘発物質の合成酵素であるリポキシゲナーゼを阻害する。
B サプレッサーT細胞の活性化
GLAの代謝産物がIgE産生を最大30%抑制する。
C サイトカインによるアレルギー反応のコントロール
D ホルモンとGLAとの関連について
甲状腺機能低下症による犬の皮膚病が上皮のGLA不足に関連性があるらしい。
(3)アラキドン酸(AA)
AAは獣肉等に含まれ、通常不足することは少ない。生体においてはPG・LT・TX等の局所ホルモンの前駆体であり重要な必須脂肪酸である。細胞膜ではリン脂質の2位に多く存在し、何らかの刺激を受けて種々のエイコサノイドに変換される。
エイコサノイドの構造は多種多様あり、また各々の構造が類似しているにもかかわらず活性強度や生理活性が大きく異なる。
AAから局所ホルモンであるエイコサノイドを生成する一連の生合成経路を総称してAAカスケードと呼び、これは特に細胞間情報伝達などにおいて重要な役割を持つ。
(4)エイコサペンタエン酸(EPA)
EPAは魚油等に含まれるω‐3系の不飽和脂肪酸である。肝臓でのVLDLの合成能、および血清LDLとコレステロールを低下させる効果がある。また、AA由来のLTB4と拮抗するLTB5を生成して炎症を抑える効果がある。
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