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■ 睡眠相前進症候群(ASPS)
DSPSが若年者に多いのと対照的なのが、高齢者に多くみられる睡眠相前進症候群(Advanced sleep phase syndrome;ASPS)です。
1.症状と診断
ASPSは、DSPSとは対照的に、睡眠時間帯が望ましい時間帯に対し極端に前進しているもので、耐え難い夕方の眠気や早い時刻からの入眠、望ましい時間より早い覚醒(目覚め)という症状を呈します。
ASPSの多くの例では、入眠時刻は午後6時から8時までの間であり、覚醒時刻は午前1時から3時までの間である。基本的には日中の学業や仕事には障害はないが、夜間の活動は短縮される。
有病率、性による差などは不明であるが、DSPSに比較すればまれな疾患と考えられています。DSPSが若年者に多いのと対照的に、ASPSは高齢者に多くみられるといわれます。
次に、睡眠障害国際分類(ICSD)によるASPSの診断基準を示しますが、ASPSの発生頻度はきわめて低いものと考えられています。ASPSの診断にも、睡眠日誌や睡眠ポリグラム検査あるいは体温リズムの測定は有用であるとされています。
.対 策
ASPSの治療としては、入眠時間を一日に3時間ずつ早めていく時間療法、夜間の高照度光療法、抗うつ薬の投与などが、前進した睡眠相を動かし、望ましい睡眠時間帯に動かすのに有効であったとの報告があります。
ASPSもDSPSと共に、その治療法についてはまだ確立されてはいません。しかし、時間生物学的治療により改善する症例も少なくないことから、こうした概日リズム睡眠障害の根底に何らかの体内時計機構の障害があるということは、もはや間違いないと考えられています。今後さらに、時間生物学的な検討や分子生物学的な研究が専門家の手によって積み重ねられていくことにより、これらの疾患の病態解明と治療法の発展が大いに期待されます。 |